We're just gonna dance, dance, dance in the rain/SixTONES「CITY」
今年も初っ端からサイコーのアルバム出ちゃいました。
SixTONESの2ndアルバム、「CITY」レビューです。
今回のアルバムは楽曲毎にイメージする時間帯が設定され、各形態で曲順のスタート位置が異なる仕様。
まあシンプルに朝スタートの初回盤Aの曲順で紹介させていただきます。
ボーナストラックについても脚注で触れてくぜ!
[Interlude -Sunrise-]
アラーム音から始まる朝……ディズニーの英語アナウンス?!
8am
ベース音(クレジットがギターになっているのでこの表現にしました)がブンブン響くシンプルな構成が爽やかな朝に相応しい。
「AM7:30, Wake up」/Strawberry Breakfast
「We wake up at 10:30am」/Coffee&Cream
SixTONES、主に田中樹、起床時間を教えてくれがち。恋人との朝だから樹が選ばれるんやろな…
僕が僕じゃないみたいだ
この曲でハモりのバリエーションがまた増えたと思います。
リアレンジで更に堪能して。
Ordinary Hero
街の雑踏SEが"Ordinary"感を強調するイントロ。
「Work so hard day and night 十分カッコいいじゃない」
未だかつてない、社会人にブッ刺さりフレーズが沁みる……
もちろん学生も主婦も、頑張ってる人皆を肯定している。
現実的かつ寄り添い型SixTONES。
Your Best Day
むーむーむー、ぐーぐーぐー。
今年もエイブルのCMを狂ったように見る季節が来ましたね。
SixTONESが打ち出す"アイドルソング"がラブソングではなく元気ソングなところ、解釈が一致してとても良い。
"暗いニュースばかりだけど今日は良いこと起こりそう!"
[Interlude -Sunset-]
King Gnu「Vinyl」のイントロが始まったかと思うくらいのサイレンが響く。
ハイ!たったの4曲で朝~昼は終わりです!!
一気に治安の悪い雰囲気が漂う。SixTONESの夜はまだまだこれから。
Fast Lane
道交法なんて知らねえ、フルスロットルドライブソングでギャンギャン。
「We ain't got the time for the haters」と前作から続くhaters向けの歌詞もあり。
SixTONESに治安の悪さを求めがちなオタクはRosyのMVで再集結しような。
Good Times
一旦ゴスペル調で落ち着いて!
語尾「ai」でずっと韻踏んでるサビが気持ち良い。
低めの狭い音域を行ったり来たりしてるせいか、2番入りの田中樹パートmid2Fがめちゃくちゃ高く聴こえる不思議。*2
[Interlude -Night-]
オシャーな演奏にグラスの音…
これが常田大希のギターに繋がるの、全世界が泣いちまう。
マスカラ
Love 常田大希……
Rosy
実際のBPMより速く聴こえるほどの言葉数の多さ、Aメロ・Bメロ・サビで全て転調、激しく入れ替わる歌割り。
前作でバズった「うやむや」を継承するようなジャニーズ産ボカロック。
「ドドド」「ミミミ」*3から始まった時はどうなるかと思ったが、なかなか中毒性ありません?
ラストのワウワウギターに常田みを感じながらMVでも見てくれよ。
スタジオでのダンスシーン、オープンカーでのドライブシーン、私服風のCITYシーン。
3シチュエーション!今までのリード曲MVの中で一番豪華で好き!!
細フレーム眼鏡で終始クールに決める美の化身京本大我、サイコな笑みを浮かべる松村北斗。ヘキに刺さらんオタクいないだろうが。
極めつけは、ゴールドをジャラジャラ身に着けてハンドルを握りいっぱいの歯を見せつけてくる田中樹である。マジで治安どうなってんだよ。ソロムービーはひたすら顔が良かった。
ところでFNS歌謡祭での初披露パフォーマンスを見た方は「あれ、あそこのサイコーな振り映ってなくない?」と思われるだろう。
へい、お待ち。
ハイジャンプにハイキック。SixTONESのスタイルの良さが際立つ振り。自担のダンスが上手く見える…!
なんとまあ、BTS「Butter」も担当されたGANMIさんが振り付けしてくださいました。普通にヤバ……
また歌詞と振りから想像がつくかと思われるが、「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」日本語吹替版主題歌なのである。更にヤバ…
歌番組で黒の細身スーツという大正解お衣装もたくさん堪能できたし、Rosyのパフォエンリピです。
フィギュア
身内でボカロ調やってたら本物のボカロPくじらさんが参戦してくる奇跡。
音色は明るくポップなエールソングなんだけど、若者の葛藤あるいは"アイドルの宿命"がエグいくらい描かれている。
樹ラップ前半の大人の理不尽な言い分とか、エグいところ引用したら歌詞全部になっちゃうんだよ。
「裏切らないものを僕らずっと探して生きている」
「ショーウィンドウに並ぶ僕ら 代替不可であれよフィギュア」
これを"アイドル"に歌わせるの、ファンとしてグサグサ刺さる。特に「ショーウィンドウ~」はSixTONESの中でもアイドル性の高い声を持つ髙地優吾と森本慎太郎が担当しており、よりインパクトが強い。
そんな中ジェシーが歌いあげる「たおやかに番を待つ~」というパート。
ジェシーの歌声は救いと希望。「CITY」の中で一番好きなソロパートは?と問われれば、「フィギュア」のジェシー全てと"宝塚おとめ"のような回答をするだろう。
一人だけ16ビートを刻む田中樹、リズムの申し子。
[Interlude -Midnight-]
公式でクラブに参上するの、サイコーすぎて手叩いて喜んじゃった!!
Odds
イケ散らかしディスコチューン。ディスコチューンしか勝たん。
The odds are against meらしいけど絶対イケると思ってるやろ!
この恋は本気なのか、ゲーム感覚なのか…ヒューー
早く田中樹に拡声器を渡してやってくれ。「One kiss is all it takes!!!」って怒鳴り散らしてんのツボ。
WHIP THAT
2021年発表SixTONES「Special Order」・ジャニーズWEST「PUSH」の流れを継承するジャニーズEDM。
ってか作編曲に坂室賢一さんがいてビビったよね。坂室さんと言えばジャニーズの王道POPやバラードみたいなイメージあるじゃん。
むちゃくちゃ振り切ったEDMでフロアブチ上げ。デッデンデッデンデーレレッのメロが好きすぎる。
ラジオで「Party Rock Anthem」を流しがちなSixTONES、自前のParty Rock Anthemを手に入れたのオモロ。
Everlasting
「Uh, Till the end of time」
開始一行で分かります。最初と最後をジェシーの「the end」で飾る、"死ぬまで寄り添いソング"です。cf.「Lifetime」
ここであの「THE FIRST TAKE」の話を。
ジャニーズから初参戦。もはや説明不要。感じて下さい。
総括
まずは前作「1ST」との比較を。
・Interlude仕事しすぎ
今回のアルバムで実装された時間帯の概念とInterlude。
インストが挿入されなくても成立するっちゃあするのだが、これが思った以上に効果的な仕上がりになっていた。
Interludeと次曲がもはや一体化してもいいくらい。マスカラとかマスカラとか。
あとは"SixTONESクラブに行く"を音で表現しCDとして世に放たれたという事実がチョベリグ。
・曲が短い
これは明らかに曲の尺が短くなっています。
ほぼほぼ3分台。2分台の曲なんてSixTONES全体でも今までなかったはず。
サブスクの台頭によるトレンドに影響されているのでしょう。サブスクで聴けないけどなーー!
・生楽器が増えた
これも明らか。嬉し~~ EDM系が減ったからか予算が増えたのか。
何と言っても京本大我×田中樹「With The Flow」では京本が演奏するギターが収録されている。
京本大我と常田大希のギターが収録されているアルバム、シンプルに宝。
レコーディングされた自分のギターを初めて聴いて「デビューって何個もあるんだなあ」と語る京本の目は輝いていた。
・ライブ感、自由度が高い
特にジェシーに顕著だが、2サビ・ラスサビにかけてがなってみたり歌番組やライブ並のアレンジが見られる。原曲を少し崩したような原曲と言えばいいだろうか。
この自由度の高さが聴き飽きない・聴けば聴くほど発見があるアルバムにしているのだろう。
また、クラップが入っている曲もかなり多い。歓声を出せない分コンサートでクラップしましょうという、メンバーとファンのインタラクティブな関係を構築している。
70~90年代サウンドにボカロ調。時代もジャンルも突き抜けて、更に多様な音楽を打ち出した「CITY」。
「音楽と人」インタビューで「名盤が生まれましたね。」と言うライターに田中樹はこう返した。
でも感覚としては、すでにあった引き出しを開けたような感じで、新しいタンスを買ったわけではないんですよ。
曲の"引き出し"の話から"新しいタンス"というワードが出てきて、それを"買ったわけではない"と表現するセンスが面白い。
「CITY」の新しさは、今までの延長線上から自ら切り開いてきたものであり、余所からポンと受け取ったものではないということだろうか。
やはり6人の"音楽へのこだわり"が色濃く見えるアルバムだ。
今回のコンセプトである"街"。
一日の曲配分から見るに、やはりSixTONES=夜のイメージなのだろう。
夜に相応しいギラついた楽曲を求めるファンも多い。私もどちらかというと一緒にギャンギャンしたい。
が、「CITY」では"どこかのだれかに寄り添う"楽曲が増えた。
結局のところ、パブリックイメージよりSixTONESはずっと優しいのである。
音楽で高みを目指す6人は、ファンを置いてけぼりにしないのだ。
さて、2022年最高のスタートを切ったSixTONES。
この記事を書いていて、また彼らの歌を生で聴きたいと思った。
でもチケットはないし、そもそも今のご時世で順調にツアーが進むのか。どうかみんな健やかに…
今は既存の曲、そしてまた生まれる曲を家で楽しむのみ。
やりたい曲をやる。かっこいい曲をやる。これが一番すね。
じゃないと楽しくないじゃないですか。
ドキュメンタリー番組での田中樹の発言である。樹の言葉好きすぎワロタ
楽しみながら作ったやつらの曲を楽しみながら聴く、ただそれだけ。