止めなきゃ日々Confusion/Kroiライブレポとか
私が初めてKroiというバンドを聴いたのは今年の3月くらいだろうか。
Twitterを見ていると、King GnuのファンはどうやらKroiというバンドも好きな人が多いように感じた。
そんな中「Custard」という曲のファンアートが目に入った。そして曲を聴いた。
攻撃的なほどのラップからボーカル。超絶ファンキー。そして演奏が上手すぎる。
ブラックミュージックが土台にあるミクスチャーバンドということで、"ポストKing Gnu"として紹介されることも多いKroi。*1
この曲がじわじわ刺さり続け、フジロックの配信を覗き、ライブまで足を運んだ。
9/23 Kroi LiveTour2022「BROADCAST」/仙台Rensa
今回のライブはだいぶ勇気を出して申し込んだ。オールスタンディング形式のライブハウスは初体験だからだ。
しかも仙台Rensaはビルの7階にあり、整理番号順に階段に並ぶ。つまりエレベーター・エスカレーターを使わず階段を上っていくのだ。
病院実習でエレベーターを使わせて貰えなかった時のことを思い出す。今回はダッシュする必要はないが。
会場に入って自分のスペースを選ぶ。一応感染対策としてバミリがあった。
フジロックの配信はどちらかというとリズム隊側に注目していたので、今回はキーボード側に立ってみた。何故か本能的にキーボードの千葉大樹を見なくてはいけないと思った。
「Drippin' Desert」でライブの幕が開く。
正直予習不足で行ったので、この曲のこのギターが良いとかMCの前後とか細かい所は覚えていないことを先に言っておく。純粋に楽しすぎたし。
「Funky GUNSLINGER」のイントロでは馬の嘶き、ギターの後にヴィブラスラップがカァ~~~~ッと鳴り響く。
ギターボーカル内田怜央が歌いながらボンゴを叩くという斬新なスタイルなのは知っていたが、まさかヴィブラスラップまで持ってくるとは思わなかった。激アツ。
「Pixie」のイントロも面白い。アフリカの原住民に囲まれているような雰囲気をリセットするのは千葉さんのくしゃみだ。めちゃくちゃな文章を書いているが本当にそう。
そろそろイントロ以外の話をしないと怒られるかもしれない。「Juden」は本当に大好きな曲でブチ上がりすぎて吐きそうになった。
「エビバデファンキー」と歌う曲にハズレがあるワケがない。バカデカなシンセもクセになる。ギターもベースもドラムも非常にファンキー。
ただ「エビバデファンキー」と歌ってるわりに、他の歌詞は不気味さを感じる。"最近の人は憂鬱を摂取して充電している"というテーマも好きだ。
確か「Juden」の後くらいにも仮MCが入ったと思うが(疲れてしまうらしい。かわいい。)、Kroiはぬるっと話し始める。本MCでは千葉さんが「ここはMCです。」と教えてくれるくらいだ。
本人たちはゆるいMCに観客が驚かないか心配していた。フジロックの配信で「トンボかわいい~~」なんて会話を世に放ったくせに。*2
「Kroi初めての人!」「宮城の人!」と呼ばれ思いっきり腕を上げた。「新規獲得♪」と嬉しそうな怜央くんの笑顔が焼き付いている。
思えば初心者点呼で手を上げるのは久しぶりかもしれない。そもそもマメに初心者を確認するのは及川ミッチーくらいで、その初心者ベイベーになれるのも人生で一回きりなのだから。
なんと今回のライブにはアフタヌーンティー制度があった。各地の銘菓がタワーになり、お茶の入ったポットも用意されている。
地元民でもよく分からないお菓子を食べたギター長谷部悠生が「栗が入ってらあ!」と叫ぶ。千葉さんが確認したところ栗は入っていないようだ。
とにかく千葉さんと悠生くんがずっと飲み食いしている。上手側を選んで本当に良かった。
もうこの段階で千葉さんにだいぶメロっていたので、曲始まりが千葉さんのまんじゅう飲み込み待ちになっても最高としか思えなかった。
KroiのMCはゆるければゆるいほど良い。演奏とMCの緩急がたまらないのだ。
「熱海」もとてもキャッチーな曲だ。関将典のベースが唸る。
「サンシャインたけなわ」*3というキラーフレーズは今年の流行語大賞にしてもいい。
「帰路」もサビの「案外 進歩だってあるのさ」や「解体新書」「ヴォイニッチ」というワードが耳に残る。
Kroiは怜央くんの英語的?な発音と複雑なリリック・単語の切り方がグルーヴを生み出している一方、一発で正確な歌詞を聴き取るのは難しい。
だからこそ、すっと聴き取れた歌詞は脳に貼りついて離れない。
「shift command」はもしかしたら潜在的に聴かされていた可能性が高い一曲だ。
SixTONESのオールナイトニッポンで松村北斗がこの曲をリクエストで流したことがあったらしい。
ジャニーズの有料ブログにてKing Gnuのライブレポを、はてなブログかのごとき熱量で書き上げた彼。選曲が解かりすぎている。Tempalayとかも好きなんだろうか。
「Not Forever」あたりのチルめゾーン(多分)では悠生くんが、アコスタソニックという常田大希も使用しているギターに持ち替えていた。
今一番欲しいギターをここでも持ち出され、気絶しそうになった。狂おしいほど綺麗な音を出すギターなのだ。
「WATAGUMO」は切ない歌詞がKroiでもトップクラスに好きな曲だ。サビの上ハモの浮遊感もいい。
しかし、ラストで明らかに怜央くんではない誰かの歌声が聞こえる。
朗々と歌い上げる声の主はドラム益田英知。ドラムがこんなに歌も上手くていいのか。
どうやら#ワタグモバトルという企画で益田さんと悠生くんが対決しているらしい。大きい会場では脚本演出がついて俳優・ダンサーも参加したとのこと。思わず宇宙猫顔になってしまう。
真面目にふざけるKroiらしさが見える。
鉄板の過去曲「Fire Brain」で燃え、フジロックで泣いた「Shincha」の替え歌も仙台Ver.で聴くことができた。
アンコールは「selva」「Monster Play」。
各会場のセトリを見ていると、アンコールのバリエーションが多い。しかもアンコールは大体その日のノリで決めているそう。ノリであのクオリティの演奏ができるんだからすごい。
仙台にはセルバという商業施設がある。もしそれで「selva」が選ばれたのなら、隣県出身の千葉さんの仕業かもしれない。
終演後は関さんがセトリを客席にあげたり、千葉さんがアフタヌーンティーのお菓子を遠投したりしていた。千葉さんはとてもいい肩をしている。
そんなこんなで初のKroiちゃん体験は幕を閉じた。
階段を上ったこと、開演前に何故か踵を上げるストレッチをしてしまったことを差し引いても、私の脚は確実にKroiの熱量でブチ壊された。頭も振ったため首もおかしくした。
ライブの身体の痛みが一週間近く続いたのはKroiのせいか歳か。とにかく楽しいライブだった。
レポの精度がイントロで力尽きていることから、すぐ記憶を失っていることが分かる。
今後はもっと記憶を保持したいが、きっと無理だろう。ブチ踊っているのだから。
KroiのYouTubeとか
アーティストのYouTubeで公開されるものと言えばまずはMVだろう。
KroiのMVはいい意味で不気味な雰囲気が面白い。
曲も含めて一番好きなのが「Balmy Life」だ。
ミッドサマー……
私は千葉さんのトークボックスパートが死ぬほど好きである。ラスサビの一番高音のところが良すぎる。生で聴きたい。
ちなみに"Risk教"の設定は他のMVとも繋がっている。益田さんの立場逆転しとるぞ…
他にもライブ動画はもちろん、楽曲に関する長尺のトークやバラエティ動画も上がっている。
自分でも気持ち悪いと思うほど再生した動画がこれだ。
ツッコミ不在で突き進んでく姿にSexy Zoneみを感じる。代わりに脚注で全部ツッコんでおいた。*4
Kroiの公式からではないが、職業柄この動画もグサグサ刺さった。
"人生に欠かせないアイテム"、映画のグッズ…サングラス…形見の指輪……コレステロールの薬…
ロスバスタチンとエゼチミブがドーーン!!!
ジェネリックのメーカーまで丸見えだよう…千葉さんだけ"欠かせない"の意味合いが違うよう…
しばらくロスバを触る度に千葉さんのことを思い出してニヤついていた。
おまけに彼女にワキの匂いを指摘されたことまで教えてくれるので本当にサービス精神旺盛である。
「VI/NYL」という雑誌にKroiが特集された時に、「音楽は音を聴けば分かる。だからKroiのラブリーな人物像を伝える。」という趣旨の前書きがあった。
Kroi、見た目の第一印象はけっこう怖い。髪型・髪色は全員奇抜だし、タトゥーもバンバン入っているメンバーがいる。
私もライブに行く前はできるだけ音楽以外の予習はしないで行こうと決めていたので、YouTubeやSNSに触れてから「Kroiってラブリーなんだ!」という衝撃を食らった。
メインで作詞作曲をしている緑髪がトレードマークの怜央くん。大抵の楽器を扱えるので、プリプロの段階でほぼ全部音を入れてくるらしい。
怜央・悠生のコンビは23歳。若者の才能が怖い。
益田さんと関さんはKroiの中でもトップクラスの強面だが、曲の話をさせると特に実直に語ってくれるのがこの二人だ。
益田さんはおもしろ担当BIG BABYもできるし、関さんはインスタでのファンからの質問回答が真摯&紳士で泣ける。
悠生くんもグッズ大臣などおもしろと親しみやすさを提供することを任されている。スプリングリバーブ。
あと単純にギターのプレイがとても勉強になるので、穴が開くほど観察させていただいた。
最後に千葉さん。今年は短期間で二人の目元バキバキ秀才キーボードにハマってしまう年だった。*5
"バンドにおけるキーボードの必要性"をこれでもかと理解させられた。
鍵盤・編曲・デザイン関係となんでもできちゃうところに多才フェチはやられてしまう。
ちなみに千葉さんは"YouTuber"という言葉が生まれる前、高校生から動画投稿を続けていた。
今新たにそのメンツで動画をアップしているのでおすすめをしておく。
食玩・百均系が強い。一見ゆるいが、千葉さん含め三人とも"知"を感じさせる喋りをしてくる。ベン図で話をする人は大抵面白い。
「ジャにのちゃんねる」の二宮くんと風磨の会話が好きな人は、きっと喉一を好きになる。
ガチガチの実力を魅せる音楽性、ゆるさとラブリーさを魅せる人間性。
なんてKroiは魅力的なバンドなんだ。
またライブに行きたい、なんて考えていたが、年末もラジオ局主催のライブで会うし来年のワンマンライブもチケットを持っている。
来年も7階の階段を駆け上がって彼らと踊るのだ。
*1:ハマりかけているところにジャニーズへの楽曲提供がある、といういつだかヌーで見た展開と同じである。キンプリの曲は試聴しかしていないがとてもとてもKroi。羨ましい。
*2:その後カメラにアップで抜かれたトンボが精悍すぎて笑い死ぬかと思った。
*3:そのようなホテルがあるのではなく、単に宴もたけなわ的な意味だという。会社のパーティーで司会をした時に、台本に「宴もたけなわ~」と書いてあって興奮したのを思い出した。
*4:ルックルックこんにちは/れおくんのリアルなお母さん含め皆演技が上手すぎる/関さんと千葉さんの訛りはネイティブなのだろうか/冷蔵庫のマグネット/ワンテンポ遅れた「21」の指を出すタイミングがジワる/益田さんの「これ、彫師に入れてもらった!」「春日が折ったやつ」が最大瞬間風速/「醤油ないの、この家」でゲラゲラ笑ってたけどうちも醤油ない/「だあと!」と「ゆうくん小っちゃい頃からそれ好きもんね」のコンボやばい/タオルに関してはもう値段全部間違ってる/椅子
*5:もう一人は言わずもがな本髙克樹。間宮祥太朗を代表する元気なツリ眉にパッチリ三白眼骨格しっかりの求心顔がマイトレンドらしい。