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凡庸なラブストーリーが丁度いい/SixTONES「マスカラ」

うっかりKing Gnuを聴いてしまいあまりのヤバさにジャニオタやめかねんと思って逃げたら後ろから常田大希にSixTONES 5枚目のシングル「マスカラ」を突き付けられた私、ようやく発売日を迎える。

 

マスカラ前哨戦ブログ↓

otkssjm.hatenablog.com

 

マスカラ 

www.youtube.com

 

CDが届いたらまずはクレジットを見ようじゃないの。

作詞作曲:常田大希

編曲:常田大希

ギター:常田大希

オルガン、クラビネットシンセサイザー:江﨑文武

ベース:新井和輝

All other Instruments by Daiki Tsuneta

あかん…強すぎる……常田ファミリーまで集合しとる………*1

 

そんな常田先生の美しいアコギから始まるマスカラ。勝ち確の旋律。

続くAメロはジェシーがクセを全開にしてやって来る。

「ぼんよオウなラブストオウリィがちょオウどオウいいィ…」

堂本剛感が滲み出ている*2が、注目したいのは"アイドル"が「凡庸なラブストーリーが丁度いい」と歌っているところだ。

「終わりがあるのなら始まらなきゃよかった」なんて雲行きの怪しいカップルが「凡庸なラブストーリーが丁度いい」と嘆いている。

一般的に"凡庸なラブストーリー"を歌う"アイドル"にこの歌詞を初っ端からぶつけてきた常田くんはやっぱ常人じゃないし、それに食らいつくSixTONESも強い。

 

馴染みの景色を喰らえど味がしない…さらに落ちていくBメロ。

ここでも常田くんとSONYSixTONESに挑戦状をぶつけてくる。

高音域の地声を武器とする京本大我に、ギリギリの低音パートを与えるのだ。

安易に井口理のような超高音パートを作ることもできたはずなのに、しない。常田くんのこだわりよな…

対する京本も「クドくというか、ねちっこく歌いました」と自分なりのアプローチを見出している。

ちなみに「忘れたままで」の裏で鳴っているアコギがめちゃくちゃ切なくて良いです。

 

サビに入り、ラストに初めて「マスカラ剝がれたまま」とタイトルが登場する。

マスカラ…剥がれる…?

「マスカラが落ちる」「マスカラが滲む」という言い回しの方がしっくりくるのではないかと、一発目は違和感があった。

どうやらスペイン語でマスカラは"仮面"という意味を持つらしく、そうするとサビ前半の「素直になれるかな」「完璧なフリはもうやめて」とうまく繋がる。

そもそも泣いてるのはマスカラをつけている=女性なのか?

直接性別を表している歌詞は「貴女」「僕ら」の二箇所のみで、全て男性視点である。

まあ常田くんは女性視点と男性視点を複雑に混ぜることが得意なので、どっちとも取れると言うことで。

 

飛んでCメロの京本と田中樹の"スーパーきょもじゅりタイム"である。

歌とラップの中間のようなパートで、エッジの効いた歌声がカッコいい。

複雑にハモりあっているがCD音源は控えめなので、先程リンクを貼ったライブバージョンくらい強めでもよかった。二人のハモりはなんぼあってもええ。

死ぬほどカッコいいパートだが、Bメロ「喰らえど味がしない、満たされない」の集大成として「ありきたりな毎日に 足りて足りて足りない僕ら」と歌詞は救いようのない残酷さである。

 

落ちサビはアコギ→ハーモニクス音から盛り上がるエレキと、バックサウンドがガンガンテンションを上げていく。*3

極めつけは「"あの頃の二人のまま"」とヌー特有のオクターブハモり*4、そして転調。一気にラスサビまで駆け上がる。

最後はAメロに戻り、森本慎太郎からジェシーまで一人ずつ歌い継いでいき「マスカラ」の幕は閉じるのだ。

 

……あえて最後まで2番に触れずにいたのにお気付きだろうか。

CDを買うことでしか聴く権利を与えられない2番。これがとんでもない。

音程・リズム全てをひっくり返してくる2A・2B。メロディーラインがエグエグのエグい。

特に2Aのファルセットが輝くジェシーパート、2Bに足されたハモりが良い。

「無意味な仕草さえ~」「悲しみの雨を~(これはラスサビと同じ)」と秀逸なフレーズもある。

「常田くん…やったな…」とドッキリにかけられる感じ、ぜひフルを聴いて味わってほしい。

 

 

最初にマスカラを聴いた時は、King Gnuだったら「傘」っぽいし、ジャニーズとしてはキンキっぽいな(おそらく京ジェのせい)、と思った。

しかし未公開だった2番を含めたフルサイズを聴き終わった今、そんな印象はもう消え去っていた。

独特な譜割りやメロ、ワードセンス、音作りは、やはり常田節全開である。

ただKing Gnuの楽曲で1番と2番でメロを思い切り変えたり、オクターブ以外のハモりを多用している印象は薄い。

そしてこの曲は"グループで歌うこと"を前提にして作られている。

他ならないSixTONES常田大希の曲なのである。

 

 

 

す…すきぴ……

 

*1:新井先生がベース弾いてくれることを知ったときはマジで白目剥いた

*2:ジェシーは剛くんを超絶リスペクトしています

*3:常田曲のインスト聞けるの超貴重!初回盤A収録!!インストだけでも飯食える!!!

*4:髙地優吾と松村北斗のシンメが担当していて大変エモい