雨垂れ石を穿て/SixTONES「1ST」
やっと!SixTONESの音楽について話しますよ!!
※先日行われた配信ライブ「on eST」の内容についても触れています
夏に田中樹に落ちたブログを書いて以来、あえて大きく触れてこなかったSixTONES。
初のフルアルバム「1ST」がとんでもねえ!狂ったように聴いてる!
とにかくSixTONESがやりたい音楽を突き詰めまくった珠玉の作品である。
ジャニオタ、非ジャニオタ、年齢性別問わず聴いてくれよ!!
「1ST」全形態共通
ST
デビューから1年経つSixTONESの集大成であるリード曲。
SixTONESと言えば英詞が特徴だが、こちらは日本語でガツンと殴ってくる"メッセージ性の強い"ロックになっている。
「完璧だなんて間違ったって思うな 弱さのない世界は強さとは無縁だ」
「最果てだなんて簡単に割り切るな 空が青い理由もまだ知らないままだ」
更なる飛躍を目指すSixTONESを表すような歌詞。
Sexy Zoneにとっての「RUN」に相当するアンセムになり得るだろう。
生歌での京本大我の鬼気迫る上ハモから強い光を感じた。
シングルA面~STの歌詞は、深読みすれば全てSixTONESのことを表しているように思える。
また、Jr.時代の曲も含め歌詞にグループ名である「SixTONES」が登場する確率も高い。
彼らが武器にしてきた"歌"で存在証明をしているのかもしれない。
NAVIGATOR
難解なメロディー・歌詞に加えて強いストリングス。
深夜アニメのタイアップとして満点。私もサンホラやアリプロを通ってきたオタクだからさ…
特に「疲れた迷い子のシンパシー」とか「途切れぬ車列へのアイロニー」とか厨二感溢れるパートに痺れる。オタクだから。
サビの「夜を駆けるか 夜明けに賭けるか」という文字の並びもシャレていて良い。
Special Order
エキゾチックなEDM!今作で一番好き!
とにかく音も歌詞も"強さ"がこれでもかと前面に出ている。
生死はかかっているし、「Haters, come on!」と煽り、「邪魔するヤツbang bang bang」。
極めつけに京本大我が魅せる高音の「nobody stop…wow…」が強すぎて気絶不可避。
やっぱ"強い"曲が好きなんだよな…田中樹の"反骨精神"担なので…。
歌詞の強さを助長するマシンガンのようなビートもアツい。
SixTONESつえぇ~~~~~~
以前はEDMに苦手意識があったが、ジャニオタになって克服した感がある。
最近はジャニーズWEST*1の「YSSB」とかもよく聞いている。サイコー!
ついにはインド系EDMにまで手を出した。
ジャニーズを経由して最終的にインドに辿り着く。インドは偉大。
NEW ERA
NAVIGATORとは対称的に、夕方アニメのタイアップとして相応しい王道ロック…
と思うだろう。曲の構成が大胆でジャンルもごちゃまぜ。
アニメOP→ショート→フルとあまりにも印象が異なり、オタクも「曲が違う…」と腰を抜かした。
1サビが終わり突然スーパー田中樹タイムのラップが始まったらアニメだけで曲を覚えたキッズもびっくりだろうよ。
みんな森本慎太郎の「のののののー♪」が好き。
Curtain Call
ここまで特濃な曲が続いてきた流れをクールダウンさせる、どこか寂しげなギター。
オーイ!私の大好きな失恋ソングだぞ!!
特に2Aのジェシーパートは延々と聴いていられるほど良い。
極言すると「はァなれてった二つの生きッかッた~~」の発音・表現力だけで飯食える。ハーフのジェシーが歌う日本語大好き。
「これでいいんだ」「もうおしまい」なんて悲しみで終わらず、最後に朝日が希望を与えてくれる。
Dance All Night
しんみりしたところからパーティーへ直行。
エフェクトバリバリなボイスで全編英語詞を歌いあげる。自然とノれるような語感の良さにパリピにならざるを得ない。
「And dance all night」「Let’s keep on dancing through the night」のメロディーの上がり方も気持ち良い。
S.I.X
「「騒げパーリィピーポーメイッサムノ~~イズ!!」」
これ以上フロア盛り上げてどうする!?
クラップを煽る歌詞もあり、ライブ行きてぇ~~~~~~
Special Order・Dance All Night・S.I.XはどれもキーがF#m。で合ってる?
F#m三兄弟激推しです。
ところでここら辺の曲、京本大我があえてクセを抑えてる感じがしませんか?
もちろん表現の振り幅はあるものの、わりと一貫した歌い方をしてきた京本。
「きょもがきょもじゃないみたいだ」現象、ライブパンフで語っていた挑戦*2なのかな。
Coffee & Cream
ここでまた音数が減り、ピアノと甘ったるい田中樹の声が響く。
ライブで歌詞に合わせて目擦ったり唇トントンするじゅりかわいかったなあ!!!
ゆったりまったりな朝を過ごすラブソング…「You can take ya clothes off」
なあ、「チルしよう」が意味深に聞こえてきたぞ。
Imitation Rain
もう多くは語るまい。YOSHIKI先生プロデュースの大切な大切なデビュー曲。
紅白歌合戦で雷鳴と共に現れたSixTONESを見て泣きそうになった。
STの締めは「雨垂れ石を穿て」というラップ詞だが、雨に打たれてデビューした彼らに相応しく粋である。
Lifetime
デビュー曲から壮大なバラードへの流れ。"エンドロールのようにしたかった"
SixTONESがこんな寄り添い型の曲を出してくるとは思わなかった。
SixTONESに一生ついていってもいいですか…?
原石盤収録
Jr.時代のオリジナル曲を再録。当時のことは詳しくないので少しあっさりめに。
この星のHIKARI
この星らびゅ~~~~~~(初っ端からあっさり行く気がない)
SixTONES初のオリジナル曲です。
リズムの取り方、ブラスアレンジ、全てがキラッキラのTHEジャニーズソング。
堂島孝平好きな人、この星絶対好き!!
「こんな素敵な人に出会える奇跡はもう無いって分かっているんだ」
ライブもLifetime→アンコールこの星で泣いた。
メンバーがわちゃわちゃしてる中、北斗が一人で座っている隣にじゅりが座りに行くじゃないですか。
昨年のライブ「TrackONE -IMPACT-」で北斗を円陣に引っ張り込むこーちと重なって大変エモかったです。
そんなほくじゅりのことを考えていると京本坊ちゃんがすごいスピードで駈けて行く。どうしてだろうYeah
BE CRAZY
こちらも初のオリジナル曲。
ロックなEDMでラップもあり、今後のSixTONESの方向性を示しているような曲。
"Laugh" In the LIFE
「もうHappy-Glad-Lucky-Loveのフルコ~~ス!!」
多幸感溢れまくり。
きょものパートがキラッキラで、聴くとあの笑顔が浮かんでくる。オタクもニッコリ。
Rollin’
バンドサウンドがかっちょいい。
ハロオタ卒の人間だからジェシーと北斗のがなりが大好き。ライブでがなりまくってると少し心配しちゃうけど!
そしてじゅりの声がサイコーにザラッザラでクセになる。
RAM-PAM-PAM
サビでパンツを見せる振り付けで話題。だけどパンツを見せるだけじゃねえんだよな~!
ワイルド・セクシー路線を突き詰めたJr.とは思えないクオリティの楽曲。
ブンブン頭振っちゃうからパフォーマンスが見れなくて困ってる。
音色盤収録
メンバー二人ずつによるユニット曲。それぞれMVも用意されています。
EXTRA VIP
メインボーカルの一人であるジェシーとラップを武器にする田中樹。
この二人だからこそできる、"SixTONESらしさ"を全面に出したイケイケHIPHOP。
「just watch all of the girls drop」はぁ~~つえぇ~~~
Special OrderでHatersを煽ってた二人、ユニット曲でもゴリゴリなので「Haters are gone」しちゃいました。
MVもライブ演出もソファがサイコーにイケてる。語彙力が死。
My Hometown
髙地優吾と森本慎太郎のteamヨコハマが贈るサーフソング。
メンバーの中でもジャニーズ度が高い歌声の二人が織り成す爽やかさと愛らしさ。
MVにはこーちの趣味であるバイク・二人の私物楽器など、好きなものが詰め込まれていてこちらも笑顔になれる。レトロな画質になるところもエモい。
「ありがとう いつでも 僕に戻れる場所」
何気にウクレレ・ギター・ストリングスと生演奏が新曲の中で一番豪華である。そもそもクレジットを見る限りST以外は生音なし?
ってあなた
主旋律とハモの切り替わり。ラスサビに一瞬あるユニゾンを境とした入れ替わりは特に鳥肌である。
色々と音楽的に語りたいこともあるが、とにかくMVを見て欲しい。もはや映画なんだ。
年上女性に翻弄される二人。画面は二分割で平行世界のようだ。
女性に縋る京本と怒りや呆れで受身になる松村。
舞台作品で活躍する京本と映像作品で活躍する松村。
どこまでも正反対な二人が表現されている。MVだけに挿入されている台詞にも注目。
通常盤収録
うやむや
Mad Love
重低音響くセクシーな楽曲。こちらも全編英語詞。
冒頭の超低音ラップ、サビ前の切羽詰まったような声、らぱぱんの巻き舌、いろんなじゅりを堪能できるよ。
うやむやとMad Love。この2曲はSixTONESの顔を見せずに披露されたものである。
「うやむや」はアルバム発売後までも徹底的に"うやむや"にされたままでライブでも歌われなかった。しかし、突然ボカロ動画のようなアニメーションを用いたMVがアップされたのだった。
「Mad Love」はライブの1曲目。ただこの曲でSixTONESは直接姿を現すことなく、1曲丸々シルエットだけの演出で魅せた。
あえてアイドルとしてのヴィジュアルを表に見せず勝負した2曲を通常盤に収録する戦略が面白い。
Telephone 1ST ver.
みんな大好きTelephone~~!
カップリングどころか、A面含めてもシングルで一番好きな曲である。
ダイヤル音やベルなどのSEとアグレッシブなギターが加わりパワーアップ。
ギターソロからの「Call me girl…」はサイコーに滾る。
総括
私が「1ST」狂いになった理由
正直「1ST」を手に取るまで、ここまでSixTONESの音楽に狂うとは思っていなかった。
それはいわゆる"トレンド"に疎いからである。
平成生まれだけど音楽の好みが昭和より。昨年の音楽界で一番悲しかった出来事は筒美京平先生の訃報。
SixTONESのファンになったのもきっかけは楽曲の良さだが、2nd・3rdのカップリングは「あ~これがトレンドってやつね」と他の曲ほど再生することはなかった。
じゃあ「1ST」はトレンドに逆行しているのか?いやいや、めちゃくちゃ攻めている。
結局は「SixTONESがそれぞれのこだわりを詰めこんで作ったアルバム」だからハマったのだと思う。
メンバーが作詞・作曲を手掛けているわけではない。ので、数十曲のデモから曲を選ぶ。まあ、分かる。
そこから展開・転調・BPM・歌割り…と意見を出していく。え?!そんなに意見汲んで貰えるの??
デビュー1年目のアイドルグループがここまで自分たちの楽曲制作に関わることってあるんだろうか。
それもわりと音楽の好みが異なる奴らがバチバチに意見出して生み出したアルバム。「全曲A面みたい」と彼らは語る。
彼らの言う通り、本当に"捨て曲"がない。
「せっかちすぎてバラードをなかなか聴けない」と散々言ってきたように、試聴時点ではF#m三兄弟のようなアゲアゲイケイケ曲が楽しみでしかたなかった。
が、最終的にはCurtain Call・Lifetime・ってあなたのようなバラードが刺さっていたりする。
SixTONES、朝の戦闘態勢にある私にバラード聞かせてるのはすごいことだぞ。
ここまで楽曲そのものや制作過程にスポットを当ててきたが、やはり「SixTONES 6人の歌声」あってこそこのアルバムが輝くのだと思う。
リリースを重ねるたび新しいことに挑戦していく彼らの進化を耳で感じることができる。
特にジェシー・京本大我のボーカルは、アーティストとして誇れる存在である。
とにかく「1ST」を聴くのが楽しくてたまらない。曲順通り*4もいいし、シャッフルもいい。
Sexy Zoneが今年ベスト盤しか出さないなら、もう今年一の名盤は暫定「1ST」です。
余談:ジャニーズらしさって?
プラスの意味で「ジャニーズっぽくない」と取り上げられがちなSixTONES。
私はこの持ち上げ方あんまり好きじゃないかも。
たぶんSixTONESの曲は「特に理由はないけどジャニーズ嫌い・興味ない」と思う人でも聞きやすい。キメ台詞もトンチキもないし。
ただジャンルとしてはロックもEDMもHIPHOPも全編英語詞も普通に他のジャニーズでも歌われているじゃない?SixTONESは偏ってるだけ。
逆に「王道!ジャニーズらしい曲!」ってなんだろう。ブラスやストリングスが華やかでキラキラ?純粋なラブソング?
そうなるとSixTONESにはJr.時代に初めて貰った「この星のHIKARI」くらいしかない。
私はジャニーズソングの豪華なブラスが好きなんだけど、SixTONESは本当にブラスの出現率が低い。今音源化されてる中では2曲?
あとはSixTONESって圧倒的に短調の曲が多いイメージ。私マイナー狂だからそんな感じする!*5
ということでSixTONES・Sexy Zone・King&Princeの最新アルバムを長調短調仕分けしてみた。ヤマハのコードトラッカー調べ。
Sexy Zone「POP×STEP!?」 長調9曲・短調11曲
王道感の強いキンプリと真逆の結果である。これは面白い。
Sexy Zoneはバランス型。もっと短調が多いイメージだったけどリペも半々だった。
ここら辺のバランスが「ジャニーズらしさ」に影響してんのかな~なんて。
そもそもこの3グループくらいしか履修してないのに「ジャニーズらしさ」について語るのは浅はかすぎない?
話は戻って、「ジャニーズっぽくなくてSixTONESいいよ!」という褒め言葉。
これをあんまりファンが使いすぎると危ないかなって。本人らの首を絞めかねない。
「SixTONESらしさ」は尊重されていくべきだろうけど、「○○らしさ」にとらわれずいろいろなことに挑戦してもらいたい。
次のシングルである「僕が僕じゃないみたいだ」も今までとは違った曲。ラップもダンスもない。ブラスがいる!
きっとSixTONESはなんでもできるし、これからの方向性を決めるのも彼ら自身。
ファンはついて行くだけ。自戒の念を込めて「○○らしさ」の話をしてみました。
この先SixTONESが見せてくれる"世界"を楽しみにしています。